ライトノベル しにがみのバラッド。E レビュー

タイトル しにがみのバラッド。E
著者 ハセガワケイスケ
イラスト 七草
出版 電撃
発売日 2005年5月


執筆者:jade 評価:
死して尚、男の側から離れられない少女を描いた「はじっこの少女。」、変わらないことを望んだ少年と変わっていくことを選んだ少女を描いた「きみが歩く塀のうえ。」、ヤクザに捕まった男と自殺願望のある少女の逃避行を描いた「彼女の風景。」の短編3編と、白い死神モモの秘密に迫るメインストーリー「言の花。」を収録した人気シリーズ第6弾。

読み終わってまず思ったのはこれまで以上に対象年齢が低くなったなぁということ。元々童話やおとぎ話っぽい雰囲気を感じさせる文ではあったのですが、それがこの巻ではますます顕著になっていて読んでいて苦痛を感じました。これに関しては人によって感じ方が違うので賛否両論あるとは思うのですが、今回に限って言えばわざとらしさが強調されていてどうしても受け入れられませんでした。
「きみがあるく塀のうえ。」のような幻想的な話ではそういう書き方もありだと思うのですが、現代的な話だと抽象的でまわりくどい表現にイライラするだけなんですよね。1,2巻の頃はストーリ-によって文を使い分けていたと思うのですが…

それから簡単に人を殺しすぎるのもこの作者らしくないと感じました。
死神の話ですから人の命を奪うことが物語の主となるのは当たり前なのですが、これまでは登場人物の死には多かれ少なかれ何らかの意味があったはずなんですよね。ところが今回はそれがまったくなく、ストーカーに殺されるわ、自殺するわ、存在が消されるわと無意味な死が多すぎ。特に「彼女の風景。」では命を奪う必要があったのか甚だ疑問に思います。インパクトは確かにあったのですが、物語を盛り上げるためだけに人の命を奪うことはこの物語の方向性とかけ離れていると思うのですが…

何か初期の方向性とは明らかに変わってきているこの作品。
人気が出てきて著者の思うように書けるようになってきたのか、それとも編集サイドの意向なのかわかりませんがどうも暴走している感が否めません。
もう過度の期待をするのはやめた方が無難でしょう。


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